組織概要
名称
一般社団法人 住宅みらい会議(非営利)
設立
2025年1月
代表理事
須藤 啓光
所在地
東京都新宿区西新宿6-12-4 コイトビル501
住宅みらい会議とは?
日本には賃貸住宅を借りたり、住宅を購入することが困難な人がいます。
その一部は、「住宅セーフティネット法」により住宅確保要配慮者として定義され、その特性を複数持つ人(複合マイノリティ)や統計上の数字に表れにくい特性もあり、正確な数を特定することは困難ですが、
例えば、生活保護の被保護世帯は約165万世帯(生活保護の被保護者調査 令和6年7月分概数)であり、在宅の身体障害者手帳所持者は約416万人(令和4年生活のしづらさなどに関する調査)、ひとり親世帯は135万世帯(令和3年度 全国ひとり親世帯等調査)、また、LGBTQ+当事者は日本在住の20~59歳のうち9.7%(電通「LGBTQ+調査2023」)と報告されています。
そのため、総数は数百万~千数百万人に達する可能性があり、多くの人が住宅取得に関する課題を抱えています。
もちろん、物件のオーナーや管理会社、保証会社、保険会社、金融機関などの住宅市場を取り巻く関連企業もこれらの課題を理解していないわけではありません。
一方で経済的リスク、地域・周辺住民からのレピュテーションリスク、提供者自身のバイアス、対応ノウハウの不足といった理由から、積極的な推進が難しいと感じている事業者等が多いのも事実です。
それだけではありません。住宅不動産市場は人口減少、空き家問題、建設費の高騰、労働者不足、環境問題など別の課題も抱えています。
これらの問題をひとりの人や一事業者が解決しようとしても不可能です。そして、それらが相互に影響しあっている課題では、相互に影響しあって解決が期待できる要素もあります。
だからこそ、住宅に関わる全ての人が安心して暮らし、持続的な成長を続けていくためのハブとなる役割が必要で、「住宅みらい会議」がそのスタート地点となることを目指しています。
私たちのミッション
私たちは、住宅取得に課題のある人、住宅不動産に関わる事業者の両方の課題を解決することで、住宅に関わる全ての人が安心できる選択肢を作ることを目指します。
住宅取得の課題に関する解決アプローチ

住宅取得に課題のある人は大別して、経済的課題、バイアスに基づく課題、社会的孤立による課題、アクセシビリティの課題、制度上・法律上の課題に分かれます。
これらの課題は共通して把握しやすいものもありますが、個別具体的で一般的に想像がしづらいものも多くあります。そのため、我々の課題解決のアプローチとして、課題の認知、実証、拡大、発展と広がっていく流れを起こしていきたいと考えています。
事業者側の課題感
住宅取得に課題がある人々に安心して暮らせる住まいを提供するには、民間事業者の協力が欠かせません。しかし、現状では民間事業者の取り組みが十分に進んでいるとは言えないことも事実です。その理由と課題はどのようなものでしょうか。
1. 経済的なリスクへの懸念
経済的に不安定な方を対象とした場合、賃貸物件では、賃料滞納のリスクが高いと判断されるケースがあります。また、一部では「こうした方が入居すると物件価値が下がるのではないか」という先入観を持つこともあり、これが支援への消極姿勢につながっている事情があります。
2. バイアスに基づく課題
高齢者や外国人、障がい者、LGBTQ+当事者に対して、住宅の提供側は周辺住民の理解不足や誤った認識を持つことによるバイアスが、住宅提供の大きな壁となっているケースがあります。
特に賃貸物件では「孤独死のリスクがあるから高齢者は避けたい」「言葉や文化の違いで外国人とのトラブルが心配」「障がい者がいると管理が大変では」「同性カップルと偽られても見抜けない」といった思い込みや、実際にそのような経験をした人から話を聞くなどして、バイアスが形成されていることがあります。
3. 制度や法律に対する不安
滞納やトラブルが発生した場合の対処法が明確でないことも、事業者の不安を増大させています。さらに、住宅セーフティネット制度や補助金制度は存在しているものの、利用条件が厳しく、手続きも複雑なため、現場での活用は十分に進んでいるとはいいがたい状態です。
また、事実婚世帯や同性カップルでは、既存の婚姻制度の保護を受けられないことから、相続や権利義務の問題があり、事業者側でリスクの全容を把握できないことから対応が推進しづらいという問題もあります。
4. 不動産市場の構造的な問題
特に都市部では、住宅需要が高く、収益性の高い入居者を優先する傾向があります。一方、住宅確保要配慮者が必要とするバリアフリー化や特別な設備設置にはコストがかかるため、事業者が積極的になれないという事情もあります。
5. 情報や知識の不足
「住宅確保要配慮者にどのように支援すればいいのか分からない」という声も多いです。また、こうした取り組みが成功した事例が十分に共有されていないため、実践に踏み切れない事業者が多いのが現状です。
こうした課題を解決するためには、家賃滞納をカバーする保証制度や補助金の拡充など、事業者側の安心を創出する経済的リスクへのヘッジや、
バイアスへの対処として成功事例を共有し、事業者が「これならできる」と思える環境を作ることも大切になります。
一方で、事業者にとって取り組むメリットがあるようインセンティブを付与するというアプローチもますます重要性を増してくると思われます。
対象となる人、組織、期待される役割
住宅課題の解決には、不動産業界だけでなく、建設業界、金融業界、テクノロジー業界、公共セクター、環境・エネルギー業界、法務・行政書士業界など、多くの分野が連携することが不可欠です。それぞれの業界が持つ専門性を活かし、協力し合うことで、すべての人が安心して暮らせる住環境の実現が可能になります。
例えば、不動産業界では、不動産仲介業者が住宅確保要配慮者への物件紹介や契約サポートを行い、不動産デベロッパーが新築住宅の供給や再開発を通じて都市部の需給バランスを調整する役割を担っています。しかし、住宅を建てるだけでは課題は解決しません。建設業界が老朽化した住宅の建て替えや耐震補強を進め、リフォーム・リノベーション会社が既存住宅の再利用やバリアフリー化を推進することで、より多くの人が安心して暮らせる住宅が確保されます。
また、住宅の取得には資金が不可欠であり、金融業界の支援も重要です。銀行や金融機関が住宅ローンや賃貸保証サービスを提供し、投資ファンドが空き家活用プロジェクトへ資金を投じることで、より多くの住宅確保が可能になります。同時に、保険会社が賃貸保証保険や家財保険を提供することで、リスクを軽減し、事業者がより安心して住宅を供給できる環境を整えます。
住宅市場のDX(デジタル化)も不可欠な要素です。テクノロジー業界がAIを活用した賃貸管理や空き家マッチング、電子契約システムの開発を進めることで、よりスムーズな取引や入居が可能になります。建築テック企業による3DプリンターやIoTを活用した住宅建設、スマートホーム技術の導入も、住宅環境の向上に貢献します。
さらに、住宅政策や制度の整備には公共セクターの役割が大きく関わります。地方自治体が空き家対策や住宅セーフティネット制度を推進し、国土交通省が住宅政策の立案や規制緩和を進めることで、より多くの人が住まいを確保できる環境が整います。都市計画機関が土地利用の最適化やインフラ整備を行うことで、持続可能な住宅供給が実現します。
住宅課題には、環境・エネルギー業界の関与も欠かせません。再生可能エネルギー事業者が太陽光発電などの省エネ設備を導入し、廃棄物処理業者が老朽住宅の解体や資源リサイクルを担うことで、環境に優しく持続可能な住宅供給が可能になります。
また、法務・行政書士業界も重要な役割を果たします。弁護士や司法書士が不動産契約のトラブル解決や相続問題をサポートし、行政書士が空き家の利活用申請や補助金申請を支援することで、住宅供給の円滑化が実現します。
このように、住宅課題の解決には、さまざまな業界の協力が必要不可欠です。それぞれの専門分野が連携し、知識やリソースを共有することで、すべての人が安心して暮らせる住環境を実現できるのです。
